下町ものづくり企業のための新社屋

HIOS新社屋
New HIOS Tokyo Headquater

所在地: 東京
用途: オフィス、ショールーム、研究室
規模: 改修、鉄骨造5階建て、1700m²
設計・工事期間: 2017-2019

電動ドライバーのパイオニアとして知られるHIOSの本社移転に伴い、約1700m²の新本社ビル改修プロジェクト。既存の建物を再利用し、新しい本社の要望に適応させた.。日本の古い基準で建てられた築28年の鉄骨造5階建てビルの改修であり、挑戦の多い再生プロジェクトとなった。

この企業は、「社員が楽しめる環境づくり」を理念に、10年ごとに移転を行い、今回50周年という節目を迎える大切な新社屋プロジェクトであった。歴代社屋への想いを受け継げるよう、「働く人にやさしい環境」をコンセプトに掲げた。

日本のBELSや改正省エネ法には、含まれていない英国LEEDや米国BREEAMにもあるグリーンビルディングの概念も重要なプランとして取り込み、動線、自然採光、中庭と屋上庭園、断熱と機械設備性能の向上もふまえて計画。

メインエントランスには、「HIOSの象徴である電動ドライバーで、天空から締められた“ネジ”」のイメージから生まれた螺旋階段がシンボルとして存在する。1階エントランス・ラウンジから、2階ショールーム、応接室へと繋ぐ、この螺旋階段は、大切なビジターをお迎えする新たな動線を生み出す。社員とビジターの動線を明確化し、それぞれに属する空間を構成した上で、建物内の自然採光の向上を計画。自然採光は、社員への健康を配慮すると共に、照明負荷の低減も目的とした。

ファサードの再生は、新たな意匠としての素材を加えるのではなく、既存の外壁を削り取っていくことで、新たなファサードのボリュームを構築。都市環境での日照条件を検証した上で、開口位置、大きさを調整し、既存建物の開口と素材を活かす外観デザインとした。結果、建築廃棄物削減ともなる。 既存の開口部を活かし、ガラス壁へと変え、更に吹抜けやルーフテラスを設けることで、自然光を採りこみ、明るく開放的な空間を新たに生み出す構成で、且つ省エネにも配慮した設計となる。
又、緑化は、グリーンビルディングの概念のもと実施され、緑に囲まれたオフィス空間が生まれた。今も建物の一部として成長を楽しみ、親しまれている。

その他、本プロジェクトでは、什器、家具、扉、サイン等、細部に至るまで設計。

新社屋は、「働く人にやさしい環境」の中、個人の意識も高まり、自主的な環境配慮へとつながる担い手として、愛着が湧き、居心地がよい持続可能なオフィスとして存在していく。

※本プロジェクトは、国土交通省が定める建築物省エネルギー性能表示制度「BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)」認定3つ星を取得。

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建築主: HIOS
設計: 宮本雅士建築設計/mmar
構造設計: フレームワークス
施工: 大竹建窓
施工協力: 石鍋鉄工
植栽協力: ルスルス、Miyu de Mexico
写真: Cody Ellingham, mmar
設計チーム:
Alejandra Balcarcel Moran
Koki Yamamoto
Yuri Miyamoto
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改修前の外観と内部 / Condition of the disused existing building



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